魍魎の匣(もうりょうのはこ)第13話「魍魎の匣、あるいは人の事」 |
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主観的あらすじ
美馬坂の研究所に、今収まっている意識の主が
久保だと告げる京極堂。
関口ら全てが部屋の中を見回す中、京極堂は、
ごく普通の若手の幻想作家だった久保を殺人鬼に変えた原因を明かし始めた。
養母の葬式に出るため夜行列車に乗った久保は、
匣入りの生きている加菜子の頭部を見せられた。
匣を持っていたのは、研究所から
匣を持ち出した須崎ではなく、雨宮。
陽子に付き添って14年も一緒に暮らしてきた雨宮は、
実は陽子ではなく加菜子を愛していたのだ。
武蔵小金井駅での事故の後、雨宮は、
加菜子をそのままの形で死なせてやろうと主張した。
しかし、須崎は、腕を一本だけ生かし、
それを遺産受け取るための証拠にしようと決断。
残りの3本の手足をもらった雨宮は、
それを水葬にしようと相模湖まで運んだ。
つまり、相模湖で発見された最初のバラバラ事件の腕と脚は、
加菜子のものだったのだ。
だが、雨宮は、さらにインパクトのあるものを見てしまう。
それは、須崎が持ち出した匣入りの加菜子の頭部。
須崎を殴り殺して頭部を奪い取った雨宮は、
匣に入れたそれを夜行列車の中で久保に見せた、
というわけだ。
加菜子の幻影に取り付かれた久保は、同じ物が欲しくなり、
次々と少女を殺し始めた。
少女の匣詰めにことごとく失敗した久保は、
美馬坂のことを知り、研究所にやって来た。
美馬坂は、この久保の希望に従って生体実験を行い、
その頭部を匣に入れてしまった。
京極堂は、次に美馬坂の話を始めた。
戦後、研究所を維持するための資金に事欠いた美馬坂は、
須崎の遺産詐取計画を見て見ぬふりをしていた。
これに懸命に反論する美馬坂。
そんな美馬坂を懸命にかばう陽子。
まもなく、美馬坂が、京極堂と木場に責められるのを見た陽子は、
衝撃の事実を明かして―。
・物語の印象点
・推理モノは、例えるなら1本の線路を走る電車のようなもの。
1本の電車が走っている。
走り出した列車の終着駅は結末、という終点。
途中途中の下車駅に幾つもの伏線、と言う路線が乗り入れながら
列車に乗る読者、あるいは視聴者を物語と言う路線に乗せて
ひた走る・・・と言うのが、見終えての感想でした。
推察、と言う部分に関して言えば確認作業と言う感じでは
ありましたが、頭で考える事を実際目の当たりにすると・・・
やはり末恐ろしいものですね実際。
根幹に成されていたものは、誰かを愛する気持ちだった・・・
と言う事ですか。
死なない研究もしかり、そんな教授を愛した事もしかり・・・
その娘を愛し、その娘に羨望と憧憬と言う愛を持ったこともしかり。
さてはて・・・・人としての倫理を踏み越えてしまった愛を
会得したのもしかりと。
魍魎とは、そんな人の心の隙間に沸いて出るものと言う事ですかね・・
そして、意識と言うものへの独特の解釈は面白かったと思います。
心、と言う目に見えないものへの回答がそれぞれに興味深かったですね。
電気刺激、と捉えた教授のお話は
なかなか面白かったですしね(*^-^)♪
生体活動、を主軸に捉えれば唯一の難点は脳髄と言う事ですか。
重さ1キロにも満たない、あのちっぽけな小世界。
そこはちょっとだけフムフム・・・とも感じた、そんな物語でした。
小説版、改めて読み返してみたいですね(*^-^)♪
スタッフの皆様、三ヶ月間お疲れ様でした・・・
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第12話「脳髄の事」 |
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主観的あらすじ
関口、榎木津、陽子らが箱型の研究所に到着したのは、
木場が美馬坂に向けた拳銃の引き金に指を置いた直後だった。
その場の状況を見た陽子は、美馬坂が自分の父親だと叫ぶ。
榎木津は、木場の立場を考え、顔面にパンチを浴びせた。
まもなく、京極堂が姿を見せたことから、
美馬坂の研究所は、一連の奇怪な事件を解き明かす場となった。
舞台に揃った役者たちは、京極堂らの他、
編集者の鳥口、増岡弁護士、福本巡査、
木場の後輩の青木刑事ら。研究所の周りには、
警官が集結していた。
京極堂が最初に解説したのは、武蔵小金井駅での、加菜子の事件だった。
突き落とした真犯人が頼子だと告げた京極堂は、
その頼子が犯人だといった黒ずくめの男が自分だったと明かす。
そして、関口の小説を読んだ頼子が、
その影響を受けて犯行に及んだ、と付け加えた。
京極堂が次に話したのは、陽子の周辺に関すること。
須崎が、陽子のある重大な秘密を握って近づいた
強請り屋だったと明かした京極堂は、
それが加菜子が柴田の孫娘ではなかったことに関係している、
と続ける。この事実を知った増岡は、
加菜子が柴田の直系だと信じていただけに驚愕。
一方、木場は、この話を聞いて美馬坂が激しく動揺するのを見て、
いぶかしがる。
京極堂は、それまで柴田の遺産には全く興味を示さなかった陽子が、
急に相続すると言い出した理由が、
加菜子の事件にあった、と話した。
人を生かすことに没頭していた美馬坂の研究所は、
その維持に多額の費用が必要とされた。
陽子は、“生かされていた”14歳の加菜子が
人生を全うするために多額の資金が必要になると考えたのだ。
だが、須崎は、その遺産の詐取を計画していた。
陽子、美馬坂、雨宮を丸め込んだ須崎は、
独自の生命維持法を持っていたことから、柴田の死を待つ陽子に、
加菜子を生かしてやる、と持ちかけた。
そして、あの日、須崎は、
脳髄だけで生きていた加菜子の頭部を小さな箱に詰め、
みんなの前から、まんまと持ち出したのだった。
・物語の印象点
医療と人道の解釈の違い。
【生命活動を行う】と言う解釈の違いと言うのが
最後の魍魎、なのかなとぼんやり感じましたね・・・
教授にとっては、【生命活動】が継続すると言う
1点に置いてのみ【意味があることであり】、
普通の人にとっての【生きている】と言うこととは
大きく意味合いを異にするのだな、と思いますね・・・
発想の逆転には驚かされた部分も大きかったですけれどね。
人、を形成する部分を意識・・・・つまり脳髄の機能に限定し
それ以外を代用品・・・つまり機械にすげかえることで
可能な限りの延命措置を可能にすると言うのが
教授の言う【生きる】と言うことなんでしょう。
その行為に何の呵責も持たない以上、この観点で
攻め口を見つけるのは難しそうですね(*^-^)♪
彼を落とすのなら、どうやら陽子さんとの因縁にありそうですが・・
かつて加奈子が驚愕するほどの事実があったとするなら、
相当そこにはインモラルな匂いを感じるところもあるのですが・・・・
それ以外、と言う部分では大体物語の不明点が
明らかになりましたしね(*^-^)♪
・探偵はストーリーテラーである。
この作品においても、そうなのだなと感じました。
名探偵なのではなく、弁舌巧みな噺家、と感じますしね。
事件を未然に解決するのでなく、起きてから
慌てて、事件現場を飛び回り、そして大騒ぎして
あれはこうだああだと解説して鼻高々w
それならもっと早くに解決してくれよw
と言うのは、まあ・・・推理小説じゃなくなりますから
置いておくとして(*^-^)♪
その意味で京極堂の話は面白かったですね・・・
一つ一つをゆっくり解きほぐしていく語り口は
まさにこういう場面にふさわしいのかなと(*^-^)♪
何気ない偶然が重なり、悲劇の扉が次々と開いていくと。
最終回では一番の根幹に触れそうですし、そこも楽しみですね・・
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第11話「魔窟の事」 |
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主観的あらすじ
久保が殺された、との連絡が入る中、
関口、鳥口、榎木津の3人は、沈黙を守る京極堂に、
バラバラ連続殺人事件と他の事件との関係を質した。
だが、京極堂は、その質問には答えないまま、
自分と美馬坂の関係を明かし始めた。
それによると、京極堂と美馬坂は、旧知の間柄。
京極堂は、戦時中、陸軍の研究所だった例の箱型の建物内で、
異教徒を国家神道に改宗させるための洗脳実験をやらされていた。
その時、美馬坂は、そこで死なない兵士、
人工臓器の研究に没頭していたらしいのだ。
まもなく、入院中の青木を訪ねて久保の遺体の状況を聞いた京極堂らは、
発見されたのがその両手と両脚だけだと知った。
それらはヒモで括られた状態で発見されたのが、
青木は、室内の状況から久保がバラバラ連続殺人事件の真犯人だと断言する。
その青木から、謹慎が解けた木場が拳銃を持って外出した、
と聞いた京極堂は、慌てて関口らに追いかけるよう指示。
木場の行き先が美馬坂の研究所だとにらんだ関口は、
京極堂に言われたように、途中、陽子をひろって、車を急がせた。
実は、少し前、木場は、陽子を訪ねて事情を聴いていた。
その際、木場は、柴田の死を知った陽子が
加菜子に代わって巨額な遺産を相続する、と知ったようであった。
その頃、箱型の研究所のドアを蹴破って侵入した木場は、
出てきた技術者の甲田を倒して、美馬坂に迫っていた。
美馬坂が、加菜子を生かすために、
他の娘たちの臓器を使ったと推理した木場は、真偽を直接質す。
そして、推理を否定された木場は、
持っていた拳銃の銃口を美馬坂の額に突きつけて――。
・物語の印象点
・俘囚を思わせる展開でしょうか(*^-^)♪
海野十三、と言うSF・推理作家を知っている方であれば
今回の機械人間のお話に何かしらピン!と来るものが
あるのかもしれないなと感じましたね・・・。
実際合致する部分があるかどうかはまた別の話としても。
今回のお話で最後のピースもはまったかなと。
死なない研究と、人工臓器ですか・・・。
真実、あの箱屋敷の科学者が医療を目的としているのなら
彼が行った治療と言うのはいわゆる・・・
破損した人体のパーツを人工物と入替える、もしくは・・・
人工心肺のように、機械と直結させると言う手法を取ったと
見て良さそうですね(*^-^)♪
だとした場合、彼がバラバラ殺人を犯す必要と言うのは
まず根拠として薄いなと。
医療と言う仮説を立てて考えるとしたら
訪れる人は【患者】でなくてはいけないと思うのですよ。
であれば、木場の旦那が言う事はまったくの勘違いと言うことになりますしね。
バラバラの犯人は、久保で有ると言うのは間違いないと。
もし彼の言い分にも真理があるとするなら・・・・
今だ教授の研究は完成に至っていないと。
とすると・・・・患者を治療すると言う目的で
何らかの治療を施し、その結果バラバラが生まれたと考えるのが
いいのかなとは思いますけれどね・・。
だからと言って彼が頼子をバラバラにすると言う理由は
考えにくいですし。
関連性があまりにも希薄ですからね・・・。
その観点で見ると、やはり研究の為にと考えるのが
筋が通るとは思いました。
そうなると一連の事件の流れとして整理すると。
加奈子殺害未遂:頼子
頼子他3名のバラバラ:久保
須崎殺害事件:状況から雨宮さん
加奈子誘拐未遂:・・・・・狂言?
久保バラバラ:・・・・不明。
真犯人は一人しかいない、と考えるのは
確実に間違いだということだけは今回分かりましたしね。
とするとこれらの点をつなぐ線は何だろうか?
ですよね、後残っているのは(*^-^)♪
そして陽子さんの不思議な回想。
母親の事を羨ましくも感じていた彼女の心境。
これが真相にどう絡んでくるのか
そこも気になる11話なのでした。
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第10話「鬼の事」 |
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主観的あらすじ
久保が本当に犯人なのか、という関口の問に、
京極堂は、その理由を明かし始めた。
バラバラ連続殺人事件の3人の被害者の家庭が
御筥様の帳簿に載っていたこと、
久保が幼少・青年期の生活環境が
御筥様の祈祷などに影響を与えていること、
久保の作品にそれらの全てが投影されていること―。
御筥様を作ったのが久保だと断定する京極堂は、
その猟奇的な小説の内容が、想像の産物ではなく、
実際の出来事を日記風にまとめたに過ぎない、と話した。
まもなく、関口と榎木津を伴い御筥様の道場に乗り込んだ京極堂は、
その化けの皮を剥がしにかかった。
無数の箱が置かれた道場内で、教主・寺田兵衛と相対した京極堂は、
その膨大な知識と観察眼で、攻勢を強めた。
寺田は、最初こそ威勢がよかったが、
本物の陰陽師である京極堂の話に何も反論できない。
やがて、御神体の箱の中に、
息子・久保の指が入っていると言い当てられた寺田は、
力が抜けたようにヘタり込んだ。
京極堂らの尋問に対し、息子の犯行に薄々気付いていたらしい寺田は、
久保との関係を自供。一昨年以来、
寺田が久保の言いなりだったことが明らかになった。
だが、バラバラ連続殺人事件の終結を宣言したものの、
京極堂は、加菜子の事件は、今さら真相を暴く必要はない、
とそれ以上触れなかった。
その頃、木下と共に久保のアトリエに入り込んだ青木は、
突然、殴りかかってきた久保を取り逃がしてしまった。
無数の箱が壁を埋め尽くす部屋の内部を調べた青木は、
ひとつの箱の中に、頼子の頭部と体がきれいに収められているのを発見。
だが、問題の久保が、まもなくバラバラ死体で発見されたため、
一連の事件は、再び振り出しに戻ってしまった。
・物語の印象点
・先週の粗筋を3行で
ついに御箱様の謎が解けた!
俺たちの戦いはこれからだ!
僕は・・・取り返しの付かない事をしてしまった・・・(アムロ・レイ風に)
※久保の声は、アムロの声で、00のリボンズの声の人ですw
今回を一言でまとめると、こんな感じですか。
真面目に言うなら、点の一つが明らかになったという事ですね。
まだ線となってつながっている訳ではないですが・・・
バラバラ事件についての大まかなあらましは
ハッキリしたと。
動機、を単純に求めるなら【箱詰めの娘】を再現したかった。
それに尽きるのでしょうが・・・。
とすると、彼はどこでそれに出会ったのか。
出会いが彼の運命を決めたと。
所謂、逝ってしまった人と言うことになるんでしょうけれどもね・・
残る問題点はそうなると3つですか。
1.加奈子行方不明&誘拐未遂事件
2.須崎殺害事件
3.久保バラバラ事件
もう1つの最初のバラバラは・・・もう少し予想したいですね。
1.について考えるとすると・・・
頼子により、重傷を負った加奈子が研究所に運ばれたと。
その後、彼女は一命をとりとめるものの行方不明に。
思惑としては幾つかありそうですが・・・
絹子さんの豹変と教授の台詞から
恐らくは・・・延命措置には金が要る、と言うことで
ケリが付きそうですけどね。
2.は単純ですね。
恐らくは雨宮さんの仕業と。
だとすると・・・1.の行方不明に絡む人でもありそうな
感じはありますね。
以前推測したのですが、
人一人が一瞬で消えるなんてことは物理的にあり得ない訳ですから、
それを可能にした、と言うのなら
【運びやすい】形態になっていたと考えるのがスムーズですし・・
であれば、消去法で須崎さんと。
で、彼は焼却炉の前で雨宮さんと何かあって・・・殺されたとしたら。
恐らくは加奈子も雨宮さんの手によって・・でしょうし。
そうすると、さらなる問題が。
最初のバラバラは、【誰のもの?】と言う事があるんですよね。
ここがまだ解けてなくて。
3.に関しては冒頭の久保の作品に【遺作】と但し書きが
常々付いてましたから、まあありうることだと。
つまり久保を知る誰かが【彼をばらばらにした】のは
もちろんとして、じゃ何の為に?と言う話で。
バラバラ、と言う行為の目的が久保の場合も【箱詰め】にすると言う
ことにあるのであれば、その犯人も【箱詰め】が
目的の一つなのだろうと。
あと1ピース・・・ヒントが欲しいですね(*^-^)♪
・インチキ宗教、終焉。
ここの畳みかけは見事でしたね。
学問知識を駆使し、教義の矛盾点を明らかにして
綺麗さっぱり憑き物を落としたと。
鬼門と魍魎の関係性の誤りを指摘し、そこから
水が流れるように教主の知識不足を粉砕していった流れはお見事でした。
それにしても、バラバラの順番と言うのがただの
50音順であったと言うのは・・
頼子にとっては悲劇であったと言う事でしょうか。
後は関口君の涙目の表情が何故かハマリ役だったようにも
見えましたしねww
次回はいよいよ真相もクライマックス。
ますます楽しみですね・・・。
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第8話「言霊の事」 |
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主観的あらすじ
久保竣公の小説から受けた嫌な気分を消すために、
御筥様信者の名簿を書き写す単純作業に没頭した関口。
その関口がバラバラ事件の検死を担当した
監察医の里村を訪ねた日、木場もまた里村に話を聞きに来ていた。
木場の目的は、バラバラ事件の被害者に、
加菜子がいないか、ということ。
里村は、相模湖の死体以外は、血液型が違うため別人だと断定する。
相模湖の事件の際、加菜子が
まだ誘拐されていなかったことを考えると、
被害者の中に加菜子はいないことになる。
そして、里村は、犯人が人体実験でもするように、
バラバラにするために殺したのではないかとも話した。
人体実験と聞き、木場は、ふと例の匣型の建物、
美馬坂近代医学研究所の主・美馬坂幸四郎のことを里村に聞いてみた。
すると里村は、美馬坂が、戦時中、
死なない兵隊を作る研究をしていた、と明かす。
もし、研究所内にバラバラ事件の犯人がいるとすると、
容疑者は、美馬坂と技師の甲田の2人だけだ、と木場は思った。
その頃、鳥口と共に京極堂を訪ねた関口は、
そこで増岡に頼まれて加菜子の捜索を進める榎木津と出くわした。
京極堂に促されて御筥様周辺の調査報告を始めた鳥口は、
次々と新しいネタを披露する。
御筥様の常連で、20歳前後の白い手袋をはめた男が、
去年の夏に大量の箱を寺田に注文したこと、
道場内に血の付いた鉄製の匣が飾ってあること―。
さらに、鳥口は、道場の隣家で録音した御筥様こと
寺田兵衛の祈祷の声を紹介し、また、道場内の見取り図を示した。
そんな中、加菜子の友達が楠木頼子だと知った関口は、
その名前が御筥様信者の名簿の中にあった、
とポツリと口にした。
この話を聞き、今まで見せたこともない狼狽した表情の京極堂。
「これは大変善くない」と言い出すその京極堂の前に、
木場もやって来て―。
物語の印象点
とりあえず分かった事(*^-^)♪
・最初のバラバラ以外、加奈子の物とは血液型が違うから別人。
・最初のバラバラは加奈子の誘拐以前。
・バラバラは生きてるうちに切断されてる。
・オンバコサマに箱を大量注文してたやつがいる。
・オンバコサマのところに良く分からない鉄の箱がある。
と言う事でまとめると・・・
加奈子はバラバラにされてる・・と言うことでしょう。
また、加奈子を含め複数名がバラバラに。
バラバラにした人は、どうやら【必要があって】バラバラにしたと。
生死は問わずということらしいですが・・・
ここで、ある【目的】の為に【必要に迫られて】バラバラにした。
と仮に前提を設けると綺麗にまとまりますね(*^-^)♪
あの冒頭の小説の話を借りるなら、それがシックリなんですが。
箱にキッチリと詰め込むと言うのが目的で
そのために四肢は【邪魔だから】バラバラにした。
ふむ・・・・話としては通じますね(*^-^)♪
生活反応云々は今は置いておくしかないですしね。
生きているうちに切り落とした、結果失血死させた。
と言うのは【事象】ですから。
問題はこの事象がどう犯人の【目的】たる?
上の話に照らすなら【箱詰め】に合致するのかどうかが
今後語られれば良いわけですから。
そういえば、1話冒頭の箱詰め女は生きてましたね・・・
と言う事は、【箱詰め女の活け作り】でもつくりたかったんですかね??
だとするなら、死んでしまったら不味いですね・・・
うーむ・・・・(*^-^)♪
そして血だらけの箱、と言うのは奥様に関係あるのか?
うつ病を患った奥様、そして現インチキ教祖にして箱職人のエセ山伏。
そして手袋男が注文した箱。
また、手袋男は・・・アムロじゃないですかwww
その声はwwww
今ならダブルオーのリボンズ、と言うことになりますけどね(*^-^)♪
なんて事が一応分かった事ですか。
デンスケの活躍でやはり・・インチキ教祖のインチキお祈りも
ハッキリしましたしね。
大祓と魂振りを一緒にしているのもそうですが・・・
穢れ【封じ】と言うのですから、【祓う】のは
そもそも呪文が違いますしねw
その意味なら【魂鎮め】だと思いますし。
それならば・・・
畏(かしこ)しや打(う)ち靡(なび)く
天(あめ)の限(かぎ)り尊(たふと)きろかも
打(う)ち続(つづ)をく地(つち)の極(きは)み
萬(よろづ)の物(もの)を生(う)み出(いで)て統(す)べ
治(をさ)め給(たま)ふ大神(おほかみ)世(よ)の限(かぎ)り
有(あ)りの尽尽(ことごと)落(お)つる事無(ことな)く漏(も)るる
事無(ことな)く命(みこと)を分(わ)かち
霊(みたま)を通(かよ)はし稜威(みいづ)輝(かがや)き
給(たま)ふ神(かみ)の御名(みな)を天照國照統大神と
称(たた)へ奉(まつ)りて言祝(ことほ)ぎ
真祝(まほ)ぎに鎮魂(みたましづめ)の神業(かむわざ)仕(つか)へ奉(まつ)りて
大神(おほかみ)の厚(あつ)き尊(たふと)き霊威(みたまのふゆ)を
蒙(かがふ)り奉(まつ)り霊(みたま)を祓(はら)ひ清(きよ)めて・・・・
ですしね^^
呪文も違いますし(*^-^)♪
そしてもう1つ感じたのが・・頼子さんは、
周囲を見下した物言いをしていますが、
孤独なのだな・・・と言うことですね。
ピースはつながり始めてますけれどね(*^-^)♪
ラストシーン、頼子さんがリボンズに
捕まってしまった事でどうやら・・彼女が5人目?の
バラバラになってしまいそうですし、次回も目が離せないですよ。
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第7話「もうりょうの事」 |
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主観的あらすじ
“心に囲いを作ると魍魎が宿る”というのが
御筥様の教えだと説明する鳥口。
関口と共に話を聞いていた京極堂は、
日本や中国の古典を引用しながら魍魎の話を始めた。
そして、ひとしきり魍魎に関する薀蓄を語った後、
京極堂は、御筥様の教主がそのイメージを的確に捉えていると告げた。
そんな京極堂に対し、鳥口は、
いきなり御筥様の教主が連続バラバラ事件の犯人だと言い出した。
鳥口が京極堂と関口に見せたのは、
警察の内部資料となっている失踪少女の一覧表。
鳥口は、まずバラバラ事件で身許が判明した唯一の少女が、
清野が持ってきた御筥様の帳簿に載っていると告げる。
失踪少女の一覧表で、
バラバラ殺人事件の被害者の可能性が高いのが13人で、
その内7人が御筥様の信者の娘だと言うのだ。
だが、関口は、なぜ御筥様がバラバラ殺人を
犯すのか分からないと疑問を投げかける。
京極堂も、判断を下すにはもう少し御筥様についての情報が欲しい、
と鳥口に要求した。
京極堂が欲しいのは、御祓いの具体的な方法、
呪文のやり方と呪文の種類、祭具は何を使うのか、ということ。
さらに、清野が持ってきた帳簿の情報を警察に流すように、
との指示も下した。
京極堂が例の四角い研究所にくれぐれも近づかないよう念を押す中、
関口は、本朝幻想文学新人賞を受賞した
久保竣公の名が御筥様の帳簿に載っているのを見つけて―。
物語の印象点
・海野十三「俘囚」の結末をふと思いますね(*^-^)♪
なんてことを思ったりした7話でしたと言うのが
後半のお話。
冒頭のきっちり隅々まで箱に詰まっていないと
満足しない男の話・・・と言うのと、1話冒頭の話を
改めて見比べると・・・そんなことを思うんですね。
広い屋敷に一人残され・・・空間の多い家から、
空間の少ない、狭い部屋に居を移した小説の男。
それでも行李の隙間が気になる・・・
そうだ、箱を作ってもらおう、隙間など生まれるはずのない箱を。
その箱に隙間なくみっしりと詰め込んでもらうのだ。
何を?
と言うのが今後の話になるんでしょうけどね・・・
もしも1話のように、あの箱に入った娘を求めたのだとしたら、
やはり・・・海野十三「俘囚」を思い出すのは別に不思議ではないなと
思いましたしね(*^-^)♪
・魍魎講座^^
手っ取り早く言うと、おしっこから生まれた神様と言うことなんですね(苦笑)
魍魎を罔象と記した場合に置いては。
古事記や日本書紀などに曰く・・・
罔象女。記云於尿(ユマリ)成神名彌都波能賣神と有り。
[一書にも。小便に成坐る神とあり。]名義。重胤云美都ハ水なり。
罔象の字ハ。史記に水之怪ハ龍罔象。白澤圖に。水之精名罔象。なとあるに採れるなり。
和名抄に魍魎をミツハと訓し。水神也と注せり。・・・
とも言いますしね(*^-^)♪
まあ問題はそこじゃなくて・・・
■ ■
■ ■
これが魍魎と言う事を言いたい訳だったと思うのですよ。
四角四堺祭なんて言葉も出てましたが・・・・
とすると、あのインチキ教祖様の唱える話に矛盾が
あるんですよね(*^-^)♪
悪いものを外へ持ち出し捨てる、と言うのが本来の目的・・・
つまり【囲まれた中】のものを守ると言う観点で言うなら
これ、おかしいなと。
穢れ封じの箱様、しかも悪いものを【封じる】。
つまり・・箱に封じちゃおかしいだろうと(*^-^)♪
であれば、【誰かの入れ知恵】と考えるにしかりか
それとも・・・間違って教わったか。
いずれにせよ、自身で先天的に体得したものではないと言う事に
なりますよね。
となれば・・・からくりもありそうじゃないですか^^
そして今回にオチもつけるなら・・・
「隙間を埋めたい症候群」に囚われた小説の男。
これをタイプしながら・・
「股間に埋めたい症候群」に見えたワタシは
処刑に値するとして・・
そもそも日本は
「あなたは一見完璧だが、股間に隙間がある
私の股間のもので、その隙間を埋めてあげよう」
とか言う神様によって作られた国だ
「股間に埋めたい症候群」何ぞと言うものが流行るのも
必然と言えるだろう(*^-^)♪
と勝手にオチもつけてしまったのはもっと処刑ですかね^^
本来の推理モノとしては8話からまた動きそうですし、
次回はさらに面白くなりそうですね・・・
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第6話「筥(はこ)の事」 |
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主観的あらすじ
予告もなしにやって来た初対面の鳥口の幼い頃の情景を、
まるで千里眼のように当てて見せた京極堂。
タネ明かしを求める関口に対し、京極堂は
観察眼、推理力、豊富な知識を元に論理的に導き出した結果だ、と答える。
安倍晴明を祀ってある神社の神主で、
陰陽師でもある京極堂は、まもなく、心霊術、超能力、
占い師、霊能者、宗教者の違いについて、それぞれ具体的に説明した。
なぜそんな話をしたのかと聞く関口に、京極堂は、
鳥口がその種の話を聞きに来たからだと答える。
つまり、京極堂は、鳥口が相談しに来た内容を推理した上で、
説明していたのだ。
京極堂に心酔した鳥口は、さっそく本題の相談を始めた。
鳥口が、関口とバラバラ事件が発生した
相模湖に行く1週間ほど前、鳥口の会社の編集部に、
清野という男から、穢れ封じの御筥様という
新興宗教の信者リストを売りたい、との電話があった。
この御筥様と呼ばれる教主がやっていることは、
不幸を取り除くことらしい。
そのリストには、300名ほどの信者名が書いてある。
清野は、いくらでもいいから、必ず記事にして欲しい、
と頼んでいたのだ。
鳥口は、御筥様の道場の様子を探るため、
潜入取材を試みたばかりだった。
だが、あっさり教団側に出身地や職業を当てられ、
慌てて逃げて来たらしい。
話を聞いてそのトリックを全て解明した京極堂は、
その後、周辺取材をしたという鳥口の話に耳を傾ける。
御筥様の教主は、以前、箱職人だった寺田兵衛。
木工細工師だった父親の跡を継いだ兵衛は、
箱職人に転向。そして、兵衛の祖母の残した壺の中の紙を見た後、
しばらくして信者が集まり始めたらしい。
その紙に「魍魎」と書いてあったと知った京極堂は、
思わず困った顔をして見せた。
物語の印象点
・インチキ宗教~解明編(*^-^)♪
と言うのを30分かけて教えてくれたのが
今回のお話と。
事前の情報収集による、本人しか知りえない情報の暴露。
これにより動揺を誘い、何かしらのご高説をぶち上げると。
そんな感じなんでしょうけれど・・・
どうもこのインチキ山伏さんは違うみたいですね・・・。
話によれば、どちらかと言うと職人気質と言うイメージの
ようですし、その変貌の方がむしろ不思議・・と言うか(*^-^)♪
箱に取り付かれた、と作中では言いますが・・・
職人のこだわりと見る分には、別に不思議な事ではないんですよね。
気になるのは、変節したきっかけですか。
前々回の話でもチラリと言ってましたが、
犯罪者と常人を分けるものが【通りもの】、つまり魔が差すということに
あるのなら・・・・それが何なのかと言う部分を突き詰めるべきかもですね。
とすると・・・よい出来の箱を作る職人がいかようにして
インチキ宗教の教祖さまになったのか。
考えるべきは幾つか上げられますが・・・
1.ある日突然力を授かった
2.誰かが裏で糸を引いている
※この場合、喜捨目当ての金儲けと見るべきか?
ただこのインチキ山伏の人の場合、
信者はどうも幸せになっていないということを見ると・・・
いわゆる特別な能力で何かをする、と言うタイプには
見えないですね(*^-^)♪
そして箱の使い道が分かりませんし・・・
箱、と言うからには中にはご利益のあるご神体か、
ありがたい経典でも入っていればそれはそれで
筋も通るんですが、そうでもなさそうですし・・・
であるなら、可能性は2.として今は考えるべきなのかなと。
その上で京極堂を見ると・・・
アームチェア・ディテクティブ(安楽椅子探偵)と
言って良いんでしょうね、彼の場合も。
と言う事は既にお話を解決する素材は用意されていると。
ところで魍魎、と言えば水の神様なんですけどね・・・
これと箱がどのように絡むのか、そこが楽しみですよw
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第5話「千里眼の事」 |
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主観的あらすじ
加菜子の事件が起きる60年あまり前、
東京で超能力者との噂のあった2人の女の
透視能力検証実験が行われたことがあった。
検証は有名大学教授らの立会いで行われたが、
2人の女の死によって解明されず、
結局、その結果はウヤムヤのまま。
だが、その透視能力が、探偵の榎木津礼次郎には本当にあるらしかった。
ある日、榎木津の事務所に、
増岡と名乗る男が訪れて調査を依頼した。
増岡は、柴田財閥に関連する団体の弁護士。
その依頼内容は、元女優・美波絹子こと
柚木陽子の娘・加菜子を捜して欲しい、ということだった。
柴田財閥の創業者・柴田耀弘は、一代で莫大な富を築いた男。
妻子に先立たれた耀弘は、自分の血を唯一受け継ぐ者が、
戦死した孫が女優・美波絹子との間に作った加菜子だと知り
援助を続けてきた。
ところが、先日、脳溢血で倒れた耀弘は、
孫の実子と確認された場合、全財産を加菜子に譲るとの遺書を書いた。
そして、一昨日、その耀弘が死亡したという。
加菜子が生きていれば、陽子にもその遺産の分け前が回ってくるのだ。
一方、短編集に載せる作品の順番で悩んでいる関口は、
三鷹の御筥様を潜入取材して失敗したという
鳥口から話を聞いていた。
取材した信者の8割がひどい目に遭っているという
鳥口は御筥様が絶対インチキ宗教だと断言したのだ。
それが自分の専門外だと察した関口は、
鳥口を連れてやって来た所は、一軒の古本屋。
関口が、その屋号から「京極堂」と呼ぶ、
主人の中禅寺秋彦は、鳥口も良く知る敦子の兄であった。
関口らが迷い込んだ四角い研究所は
調べない方が良いと忠告する京極堂。
鳥口は、肝心の話をする前に、
幼い頃の自分の出来事を、この京極堂にピタリと言い当てられて、
ア然となった。
物語の印象点
・実話の話を見られるとは(*^-^)♪
千里眼の話ですが、実際にあった話ですね。
※千里眼・念写の能力を持つと称する御船千鶴子や長尾郁子らが、
東京帝国大学の福来友吉博士や京都帝国大学の今村新吉博士らの
一部の学者と共に巻き起こした、公開実験や真偽論争などの
一連の論争の事ですが・・・
今で言う、超心理学にも関連の有る話でしょうか^^
映画では【リング】の山村貞子のモデルにもなってますね^^
この話がどう絡んでくるのかは分からないですが、
強引に関連付けるとしたら【箱】なんでしょうね、きっと(*^-^)♪
何せ明治と言えば・・・
医療・服薬を妨害する禁厭(まじない)や祈祷(おはらい)の禁止令とか
市子禁止令とか何でも禁止三昧の時代であったとも歴史に言いますしね。
であれば・・・このような話も頷けると言えばそうなりますが、
悲劇なのは実験に立ち会った女性たちですか。
と言うのは本題からずれるのでオイトイテ。
改めて本題に移ると・・・
・ペテン講座-インチキ宗教編?-
占いなどでもありがちな、いわゆる
その人個人しか知りえない情報をいきなりズドン!と
言い当てる手法と言うヤツですか(*^-^)♪
これ、良く良く考えてみれば・・・
情報の事前収集さえ出来ていれば可能な話ですよね。
つまり・・・訪問後、主人が現れる前にでも
事前に情報を集めておけば、いくらでもそれらしい事は言えると。
後は本人の知識次第、と言うことになりますかね。
情景描写などについては(*^-^)♪
最後に京極の兄ちゃんがやってくれたのはそれなんでしょうし。
恐らくはあのインチキ御箱様についても、同様の手法でも
取ったんでしょう(苦笑)
最後に告げた決め台詞は、なかなか良かったですけどね^^
「この世に不思議な事はないんだよ、関口君」
その通りでございますw
と言うか、なんであの朴念仁みたいな男にあんな美人の奥方が・・・
と言うのが、むしろ男と女のミステリアス、と言うように感じますけどねw
・ちょwwwイケメンwww
今回登場の探偵君。
イケメンじゃないですか(*^-^)♪
しかも調査能力は長けているようですし・・と言っても、
冒頭の話で言うと、見えないものが見える人らしいですが。
その辺のやりとりはどうでもいいんですが、一つ見えたのは
増岡さんは遺産についてあまり良い思いを持ってないというか・・・
白黒ハッキリしないと気がすまない人なんですね、多分。
この遺産・・・どうも陽子さん絡みっぽいですね。
事件で言うのなら。
遺産を加奈子ちゃんが相続すると、誰にメリットがあるのか。
と言う観点で行くと・・・
陽子さんと言うことになりますが・・・
そもそも養育費などを拒んだ人が遺産に目がくらむのか?と
言えば・・・ここはまだ判断材料には乏しいかなと(*^-^)♪
けれど脅迫状の流れには多分・・・遺産がらみのことも有るんでしょう。
と言うのが気になりますね。
・常人と犯罪者の境界線。
冒頭の幻想的な風景がそうなんでしょうね。
鏡の中の女の子は純真そのもの。
翻って後ろに立つ現実の女の子は・・・
経血、でしょうか・・・足の間から鮮血をしたたらせて・・・
穢れ、と見たとしたらそこはどうなんでしょう。
此岸と彼岸の境目は、それに惹かれるかどうかと言うことであれば、
完全なものに引かれ、汚れるものに嫌悪感を抱く。
単純な理由ですが、そこに通りもの・・・と呼ばれる
ある種の【魔物】が心に棲んだとしたら・・・
犯罪となるのでしょうね、多分。
あのバラバラ事件のように。
あるいは、あの加奈子殺害未遂事件のように。
※加奈子の事件は殺害未遂では?と推測してます(*^-^)♪
次回はどうやらインチキ箱様を暴き立てるようですし、
それも楽しみですね(*^-^)♪
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第4話「火車の事」 |
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主観的あらすじ
たった今、見たばかりの加菜子がベッドの上から消えたと知った
木場、陽子、石井らは、驚愕した。
見張りの警官の話によると、木場らが加菜子を見舞った後、
病室から出たのは、美馬坂と須崎だけ。
雨宮は、木場、頼子らが到着する前に研究所から出て行ったらしい。
木場は、加菜子に関する詳しい事情を明かすよう求めるが、
陽子はあっさり拒否。
程なく、須崎の他殺死体が、研究所裏の焼却炉の前で発見された。
その頃、関口は、近々発売される自分の短編集について相談するため、
出版社『稀譚舎』の編集室に来ていた。
担当の編集者たちの話題になっていたのは、
関口に作風が似ているらしい若手の作家・久保竣公と、
最近、武蔵野周辺で頻発しているバラバラ事件のこと。
相模湖で見つかったのとは、全く別人の2本の右腕が、
東京の西部で発見されたのだ。
加菜子の駅での事故から1ヶ月ほど後、木場は、
管轄外の事件にクビを突っ込んだとの理由で、
謹慎処分を受けていた。
陽子から、改めて、加菜子を助けて欲しいと頼まれた木場。
加菜子が消えた後、須崎が殺され、
雨宮まで失踪していた。
だが、自宅の下宿に缶詰状態の木場には、何も出来ない。
そんな折、木場の元に、後輩刑事の青木が相談にやって来た。
青木が担当しているのは、例の武蔵野バラバラ事件。
青木は、このヤマが加菜子の誘拐事件と関係しているのではないか、
と考えたのだ。
バラバラ事件は、大垂水峠に落ちていた右腕と
相模湖で同じ人物の両脚が、
共に金属製の匣に入って見つかったのが発端だった。
それ以降の事件は、腕が全て桐の木匣に収められている。
青木の話によると、身元の判明した被害者たちには、
今のところ関連性が見つからない。
しかし、被害者の周辺で、黒い服を着た黒手袋の男がいた、
との目撃情報があった。
まもなく、昔の陽子を知る映画監督の川島を訪ねた木場は、
陽子が誰かに強請られているとの噂が流れた直後、
引退していたと知った。
そして、美馬坂が、戦時中、フランケンシュタインのような
死なない兵隊を作る研究をしていたことも明らかになった。
物語の印象点
・本当の敵は、【自分】の心。
事件があり、その被害に合った人が居たとして
この物語の場合誰が被害者の敵なのか、と言う
加害者⇔被害者の関係性で両断するのは間違いかな?と
ふと感じましたね(*^-^)♪
木場にとっては、彼の心こそが敵であり。
陽子さんにとっては、陽子さん自身が敵であろうと。
そんな風に思うのですよ。
これを上手く言葉に乗せるのは難しいんですが、
そういう心の暗部、と言うか・・・原体験がある意味
物語に余計な華を添え、真相を分かりにくくするというようにも
思えますね・・・。
・事件の整理
1.バラバラにする【必要】があった人
冒頭の箱の中の娘を書いた人でしょう。
理由は分からないですが、どうも
箱詰めの女性がお好きな人だと。
故に邪魔となる手足はもいでしまえ。
ただ、もぎ方が上手く行かないから、先達にその教えを請おう。
まずこれが事件の一つ目。
2.バラバラにしなくては【いけなかった】人
これはまだ分からないですね(*^-^)♪
1.の対立説として上げて見ましたが・・・
目的と過程が別々でないと、どうにも
納得行かない事があるんですよね。
3.ごちゃ混ぜにしている人
木場さん(*^-^)♪
バラバラと誘拐事件をひとまとめで考えようとするから
話がこんがらがると思うのですね。
役者で言うなら、ピエロみたいなものですか。
のんびり話を眺めてみると・・・・
誘拐事件は木場さんがトリガーひいたと思いますしね。
陽子さんの台詞を追うと・・・
須崎、と言う助手が亡くなった報せを聞くまでは
加奈子は生きている可能性があったと。
彼が死亡した途端、意見は引っ繰り返ったと。
と言う事はそれを鵜呑みにすると・・・
須崎が生きていれば、加奈子は助かった可能性もあると。
じゃ彼が死亡する遠因は・・と言えば、
脅迫状から話が飛んでいくわけで(*^-^)♪
今のところはそういう感じですね。
4.支離滅裂な人
頼子で充分でしょう。
加奈子が彼女の来世、と言っていたのに
生きて天女になったとか、言っている事にスジが通らないんですね。
単なる夢想家、と片付けても良いでしょうし・・・
妄想を妄信するあまり、凶行に及んだなんて可能性・・・・
発作的でもありそうじゃないですか(*^-^)♪
5.消えた加奈子
教授か助手の仕業で確定でしょう。
少なくとも、研究所の中は。
人が消えるなんてのは、イリュージョンでしかないですし
あれにも種も仕掛けもあるのですから、
つまりあの二人のどちらか、死亡した事を考慮すれば
木崎さんで確定でしょう。
問題は何故連れ出す必要があったのか、と言うことだけで。
そして人一人を連れ出すのがどんなに困難か、と言うこと
加えて重体の怪我人と言う事を考慮すると・・・
【元々運び出しやすい形態】であったんじゃないか?
と推察するのは間違いではないんじゃないかと(*^-^)♪
じゃ、持ち出したのは?となれば・・・
須崎でしょう。
そして消えた雨宮さん・・・・
こっちの動機を考慮するにはまだ材料が足りないですね(*^-^)♪
・アニメならではの分かりやすさ
と言うのが小説原作の場合あるのでしょうね(*^-^)♪
映像から推察しやすい、と言うのももちろんありますが
独特の感覚がこの作品の場合良いですし。
複雑なようでいて、根っこは意外とシンプルに出来ているのだな・・・
と感じるものでもありますしね。
今だ姿を見せない探偵さんはいつ、登場するのかそれも楽しみです^^
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第3話「羽化登仙の事」 |
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主観的あらすじ
加菜子を転院させる準備が始まる中、陽子ら3人の話を聞いた木場は、
増岡が弁護士で、この事件に
誰かの遺産相続が絡んでいるとにらんだ。
やがて、加菜子を乗せた救急車と木場らが乗った福本のジープが出発。
2台の車は、木々の中に浮かび上がるハコ型の建物の前に到着した。
この建物は、美馬坂幸四郎という男の研究所で、
他に須崎という医師と、甲田というエンジニアが働いている。
地元の人が、一度入った患者は二度と出てこられないと噂する
怪しい場所だった。
そして、この夜、移送された加菜子は
美馬坂らの手術で奇跡的に命を取り留めた。
自分の仕事のことも考えず加菜子の事件に掛かりっきりになっていた木場は、
ある日、加菜子を誘拐するとの脅迫状が陽子の元に届いた、と知った。
研究所の所在地が神奈川県内だったため、
県警は、警部の石井の指揮の下、多数の警官を動員して周囲を固める。
木場は、加菜子の背後にいるのがかなりの大物だとにらんだ。
加菜子の事件以来、頼子がその現場にいたと知った君枝は、
精神に異常を来たし始めていた。
頼子に魍魎が付いていると言い出す君枝を見て、
穢れ封じの御筥様の教主・寺田兵衛を呼び、
お祓いをしてもらう笹川。
呆れ顔で家を飛び出した頼子は、
この時、自分を尾行する男の存在に全く気付かなかった。
まもなく、研究所の裏にある焼却炉の上で事の成り行きを見守っていた
“管轄外”の木場は、訪ねてきた頼子から、
黒服の手袋をした男が加菜子を突き落とした、との証言を得た。
木場は、その男こそ犯人だと考えながら、
頼子と一緒に加菜子を見舞った。
医療テントの中の加菜子は、
頼子らが来ると同時にゆっくりと目を開き、何かを言おうとする。
ところが、頼子らと入れ違いに美馬坂と須崎がテント内に入ると、
加菜子が何とベッドの上から消えていて―。
物語の印象点
・頼子の発言の【おかしい】ところ。
【思いついた】って何?と感じたのが
まず最初の違和感ですね(*^-^)♪
あの場所に居合わせておき、かつ犯人らしき
黒服手袋の男が突き落としたと言うのなら・・・
正しくは【思い出した】が正解なんじゃないかと。
これ、いわゆる推理ものに言う【ミスリード】なんですかね?
その場面の前後、頼子が街中で出会った黒服白手袋の男。
彼女の【思いついた】発言にピッタリじゃないですか(*^-^)♪
それから彼女を突き飛ばし、かつ加菜子を突き落としたと
頼子は言いますが・・・
頼子曰く、彼女は加菜子の【ニキビ】を見ているんですよね^^
うなじにポツリ、と出来た。
斜め後ろから、【見えるもの】なの?と言う
単純な疑問がまず一つ。
加菜子の髪型はロングヘアーで髪を下ろしている状態。
その状態で【どうやって】ニキビが見えるの?
と言う疑問も一つ。
今ひとつ彼女の証言、腑に落ちないんですよね(*^-^)♪
犯人像にしても・・・・【思いついた】発言の後に
明確な犯人像が出てきているわけですから、
話の前後関係を追いかけても、そういう犯人像を
まさしく【思いついた】からじゃないのかなと。
問題は何故、何のために?と言う事ですかね。
来世が加菜子、と言う部分に関係あるんでしょうか???
で、来世を【相談する】って何?とも思うのですよ。
1話での話を聞くと、来世が加菜子であると
決まっているのに【何故】相談しなくてはいけないのか?
と言うお話の筋から疑問にも思うのですね実は(*^-^)♪
そして雨宮さんの発言。
加菜子は【友達が出来て嬉しい】と言っていたということと、
頼子の感じる【来世の自分】との明確なイメージの食い違い。
これ、加菜子と頼子の間でも互いに抱いていた
イメージの食い違いを示唆してるのかな?とも
思いましたね。
・木場さん、トリガー引いたかな?
と、疑心を持ちつつ物語を眺めていくと・・・
陽子さんの持っていた脅迫状?めいたお手紙も怪しいと。
状況を頼子と同じ、と仮定して考えた場合。
1.手紙は陽子さんが書いた。
2.本当に誰かから送られてきた。
の2通りに分岐する訳で。
で、木場さんのアクションとしては・・・
1.であれ、2.であれ公僕として捜査には動くと。
後はその流れがどう変わっていくのか?と言う事ですね。
・と、状況を整理すると。
どうにも事件?はまず3種類発生していると。
バラバラ事件に、電車、脅迫と。
これらが関連するなら・・それをつなぐのはなにか?
が次回の見所だろうと思うのですよ(*^-^)♪
それに・・・あの山伏は何ですかwww
どうにも胡散臭い事この上なしと。
神仏習合と言うのはまあ、この手のインチキには
ありそうな感じですが・・・
お【ハコ】様、と言う台詞・・・うーむ・・・・
気になりますね(*^-^)♪
と、結構わくわくしながら楽しめた
そんな30分だったのでした。
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第2話「狸惑わしの事」 |
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主観的あらすじ
加菜子が電車にはねられた駅のホームに、
偶然居合わせた警視庁刑事の木場修太郎は、
顔を覆って泣きじゃくる頼子から事情を聴いた。
だが、17歳の少女と話が噛み合うはずもなく、
木場は苦虫を噛み潰すばかり。
現場検証が始まる中、頼子から加菜子の様子を聞かれた木場は、
何も答えることが出来ない。
加菜子は現場近くの病院に運ばれたままで、
まだ木場には連絡がなかったのだ。
事故か自殺か、それとも殺人か。
木場は、非番だったにもかかわらず、
真相を様々に推理しながら、頼子を病院に連れて行った。
病院には、加菜子の関係者たちが詰め掛けていた。
横柄な口を利きながら名前すら明かさない男、
雨宮と自己紹介をしながらなぜか保護者を名乗る男。
そんな中、木場は、加菜子の姉と言って現れた女が、
元女優の美波絹子だと知り、ア然となった。
木場も大ファンだった絹子は、2年程前
理由を明かさないまま引退し、現在は柚木陽子の本名を名乗っていたのだ。
病院に君枝が頼子を迎えに来て程なく、
増岡というらしい横柄な男、雨宮、陽子の3人が、
疑惑の眼差しを向ける木場の前で、なにやら揉め始めた。
そして、陽子は、加菜子を自分が懇意にしている
名外科医がいる別の病院に移す、と告げた。
応急手当をした医師は、瀕死の状態らしい
加菜子を一刻も早く転院させるよう勧めた―。
半月後、この事件の存在を知らない小説家の関口巽は、
東京周辺で発生したバラバラ事件を、
雑誌編集者の鳥口と共に取材していた。
友人・中禅寺秋彦の妹で、別の出版社の編集者・敦子と
現場で一緒になった関口は、
取材の後、鳥口が運転する車で帰り道を急ぐ。
取材したバラバラ事件は、近郊の湖で、
鉄製の箱に入った若い女の両足が見つかったというもの。
鳥口は、“ハコ”に関連して、
落とした憑き物を箱の中に封じ込める
『穢れ封じの御筥様(おんばこさま)』という憑き物落としのことを話題にした。
まもなく、関口らは道に迷い、
奇妙な箱型の建物の前に来てしまい―。
物語の印象点
・名探偵は、名ストーリーテラーである。
必ず【事件が起こる前】にそれを防ぐ事は出来ず、
決まって【事後】にあれはああだったこうだったと
舞台を整え点と点を線でつなぐ役割を果たし、
一連の流れに整然と道をつける。
それが名探偵、と呼ばれる由縁なのでしょう。
今の時点で分かっている事は1つ。
予想ではありますが、頼子が加菜子を突き落とした、と言うこと。
完璧であり、憧れであった彼女に唯一露となった一つの汚点。
それが思春期の男女なら誰でも通過する儀式の一つであっても、
汚れなきもの、と彼女を見ていた崇拝者にはそれが許せなかった。
だから発作的に・・・と言うのは、
大人ならではのゲスの勘ぐりですかね(*^-^)♪
そしてとある男の箱への憧憬・・・・。
隙間なく、みっしりと詰め込むべきだ・・・
その意味であの少女は完璧だった・・・・
あれ、加菜子ですよね。
とすると、彼女は既に、あるいはこれから箱詰めにされる
運命なのでしょうか。
それとバラバラ死体の関連・・・
今はまだ点にしか過ぎない事象がいずれ一つになる時、
そこにどんな魍魎が現れるんでしょうね(*^-^)♪
・親なら何よりも子供の安否を気遣えと(怒)
物語を見ながら感じたのは、加菜子の親も頼子の親も、
まず第一に子供の事を案じたのではなく、
まず自分の都合を口にしたこと、ですか。
もちろん子供が大事じゃないわけではないですが、
先に親としてすべきことなら、子の安否を気遣うのが
当然でしょう!と、ちょっとだけムッとしましたね(苦笑)
そして瀕死の彼女を救うべく、とある怪しい場所に
導かれた登場人物。
舞台の異様さ、に目を惹かれる部分が多いですが・・・
箱、と例えられたその場所と、
あの女性に出合わなければならぬ、と言う冒頭の言葉・・
箱詰めの少女・・・憧れと願望とバラバラ遺体。
加菜子の事件と・・・・
箱詰めへの願望と言う二つの線。
どこかで交わる時がまた、新しい悲劇の幕開けなんでしょうね。
次回も楽しみですよ(*^-^)♪
魍魎の匣(もうりょうのはこ)第1話「天人五衰の事」 |
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主観的あらすじ
戦後の混乱がようやく収まった昭和27年。
私立の女子校中等部に通う榎本頼子は、
クラスメートの柚木加菜子と言葉を交わすことが多くなっていた。
人形の頭を作る職人の母・君枝と二人暮らしの頼子の家は、
決して裕福ではない。
それなのに、クラスの誰よりも聡明で気高く美しい加菜子が、
なぜか頼子だけに話しかけてくるのだ。
頼子は、不思議なことを言い、難しい文芸誌を読む
加菜子に戸惑うが、互いに孤独だった2人は次第に親交を深める。
頼子は、そんな加菜子から、
“天人五衰”という言葉を教えてもらった。
それは、天上界に住む天女が、
衰えて死んでいく際の五つの兆しを現した言葉だった。
“頭上の花蔓がしぼむ”“衣に垢がつく”“腋の下から汗が出る”
“目が眩む”“なんだか楽しくなる”
―それだけの兆候で、天女は死ななければならないらしいのだ。
そんな折、頼子は、
君枝が作る頭の胴体部分を作っている笹川から、
頭と胴体が合体した木目込み人形をもらった。
木目込み人形は、京都・上賀茂神社の祭具をしまう
箱の余り木で作ったのが始まりだったことから、
魂をしまっておく箱だという笹川。
手にしたその人形の瞳がギョロリと動くのを見た頼子は、
思わずそれを落とし、家の外に飛び出してしまった。
夜の土手で頼子が出会ったのは、
月の光を浴びていたという加菜子だった。
日の光が生きるために、
つまり死に近付くためのものだという加菜子は、
月の光だけが命の呪縛から逃れられると言い切る。
頼子は、迎えの男がやって来た加菜子がどのような素性なのか、
その時、まだ知らなかった。
まもなく、なぜ自分と付き合うのか、
という素朴な疑問をぶつけた頼子に対し、
加菜子は、奇妙なことを口にした。
加菜子は、君は私の、そして、私は君の生まれ変わりだというのだ。
すっかり加菜子に感化された頼子は、
夏休みに一緒に旅行をしようと加菜子に誘われ、
中央線の駅で待ち合わせるが―。
物語の印象点
・2ndOPは、間違いなくマキシマムザホルモンだなw
これ、アニメ版デスノート視聴した人にしか
分からないネタですね(*^-^)♪
と言うのが、この作品・・・OPはナイトメアなんですよ。
そしてアニメ版デスノートのOPも、最初はナイトメア。
そして放送局は同じ・・・と言うことであればw
なんてオチはさておき。
待ってました(*^-^)♪
耽美的な1話でよかったですよ。
多感な少女の頃の、いわゆる破滅願望・・・と言うようにも
単独として観るのなら受け取れましたしね。
ラストシーン・・・加菜子の首筋に見た【にきび】。
透明で美しく、気高く・・・人形のように穢れを知らない
憧れの女性に生まれでた、たった1点の【汚れ】
もしもそれがタイトルに有る天人五衰の一、だとしたら・・・
頼子の気持ちもある意味わからなくはないかなと。
成長して醜くなる前に、今のままのワタシを覚えて欲しいから死にます。
と言うのは何かのノンフィクションか映画で観たような記憶がありますが・・・
(たしか髪結いの亭主、と言うフランス映画がそうだったような)
それをふと思い出しましたね・・・・。